2015年11月28日

白川郷で思った、観光って?

11月6日、7日と岐阜県と富山県へ行ってきました。
「日本風景街道大学」の開催が、今年は遺産登録20年を迎える白川郷・五箇山で開催されたからです。
10年ほど前から、知床でも参加活動している「東オホーツク・シーニックバイウェイ」から、遺産登録10年をむかえた知床の話を紹介するために。
068.JPG
とても、良かったです。紅葉が最盛期でした。
とても、多くの方々とお話をすることができました。
風景街道・シーニックバイウェイの良さは、なにかに限定されていない多様な面の繋がりが生まれていることです。これは、とても大切なことです。
?何にとって大切か?・・・・地域づくりにとっては欠かせない多様性で有機的な繋がりがそこにはあるからです。
IMG_3415.JPG
そんな中で、それぞれの地域が「観光」をベースに話をしてきました。
「今あるものをどう生かすかが土台にないと、本当の観光にはならない」と南砺市の市長は言います。
「この雪国の景観をこれからもずっと、地域の宝として守って行くこと」が大切だと白川村の村長は言います。
日本全国の人が、自治体が考えるテーマだと思いました。
白川郷.jpg
知床に関しての話は、シーニック関係で行っている取り組みなどの紹介をさせていただきましたが、その中でも知床の持つすばらしい景観について、そして、現在行われている保全と利用の取り組みで生まれている雇用などについても話をしました。
締めくくりには「ぜひ、訪れて、ご自身で感じる知床のすばらしさを実感してください」と終わりました。

その後、交流会、懇談会、翌日は五箇山会場へ移動して分科会と続きました。
IMG_3538.JPG

本当に様々な立場の方に言われた言葉がありました。
「知床のイメージって、動物に集中されているよ」
「船に乗らなきゃ、ガイドを付けなきゃ、動物が見られなきゃ、流氷ウォークしなきゃ、知床の価値って僕たちビジターには得られないもの?って、感じが最近はするよ」
「実際に、こうして展開されている風景の中に自分は行けないでしょう?」
「他の観光地でもそうだけど・・メインにアクティビティメニューがこんもりと紹介されていると、観光としての選択肢は、逆に狭くなるんじゃないか?」
そんな会話が続きました。

知床に来て楽しむ、知床を体感する、自然の中に身を置くことを体験するメニューは充実してきているし、ツールも多様になってきていることは、とても良いこと。
でも、PRを間違えたら、専門店のようになってしまうのではないかしら?
いろんな人に知床を見てほしいし、来て欲しい。
いろんな、その人、それぞれがイメージする旅の形があってほしい。

私は、白川郷や五箇山に行って嬉しかったのが、ポスターで観る白川郷の中を、現実に紅葉の美しい季節に「そこに居る。ここに居る。」というささやかな達成感を感じたし、また、違う季節にはそこで得られる体験やアクティビティにも参加したいと、気持ちの中にストックしました。
多分、また、チャンスができたら行くと思う。
080.JPG

観光の専門家ではないけれど、先の南砺市の田中市長のおっしゃる、今ある価値をどう活かすか?土台が大切という言葉と、変わらない景観を守っていくこと、のキーワードに遺産登録10年をむかえた知床のこれからの10年の「観光」のヒントをもらった気がしました。
直接、観光に係わる機会はないけれど、しっかりまちづくりの視点で見ていきたいと思います。


posted by あとむ at 12:10| Comment(0) | TrackBack(0) | まちづくり