はじめて知床五湖を歩いたのは、30年ほど前。一湖の湖畔で写した写真があります。
もちろん、写っている私も変わったけれど、知床五湖もずいぶんと変わったと思います。斜里に越してきてから、何度も知床五湖を歩きました。
25年前には知床五湖の駐車場にテントをはって、早朝から一日かけて五湖を一周したりしていました。
その後、自然センターのボランティアガイドの活動で、7月から8月にかけて毎日のように一周したり、秋の静かな一日を歩いたり、雪の中を歩いたり。
でも、エゾシカが増えて樹皮食いがひどくなり、遊歩道沿いの植物の姿が消えていく頃から以前のようにあまり行かなくなりました。
そして、駐車場の料金もかかるようになり、ヒグマが出ているために遊歩道が閉鎖になる期間が増え、ゆっくりと気ままに歩くところではなくなった・・今は、そんな場所になってしまいました。
知床五湖を歩くための「期間」が決められます。
*ヒグマ活動期 *植生保護期 *閑散期
の3期間が設定され、
開園後の5月10日から7月31日まではヒグマ活動期には引率者が付いた場合のみの利用となり、8月1日から10月20日までは植生保護期となりレクチャーを受けた人が利用可能となります。
10月21日から閉園までは自由利用
これは環境省が知床五湖の区域を「利用調整地区」に指定するために行う規制です。
国立公園でしかも自然遺産に指定された知床の利用方法が変化していくことは、仕方のないことですし、やむを得ないことだと思います。また、そのために新しい魅力や利用者の幅を広げた取り組みになっているのも良いことです。
しかし、私には本当に大丈夫だろうか?知床五湖が良い状態でこれからも多くの人達に見てもらえる場所になるのだろうか?という疑問は残っています。
ヒグマ活動期って言うけれど、飼っているヒグマではないのでこれまでのデーターに沿った設定です。あくまでも人の動きをコントロールしようという視点に立っているわけですが、期間の設定など大丈夫だろうか?
・・と、言い出せばいろいろですが、でも、一方で管理していかなければならい立場の行政としてはかなり考えた結果だと思います。
新しい国立公園のあり方を考え始める一歩かも知れないと思います。
国立公園と、全国の公演を一括りに考えることが、もうすでに無理な状態になっているのですが。これからの動きに期待します。
知床五湖・二湖 少しさみしいというのが正直なところ