中標津町で小児科医院を開院している先生の話だった。
お天気も良かったのでまた、学校まで歩いた。二人の子供たちが歩いて通った学校への道のり。2,5kmの距離は、歩くたびに靴がきゅっきゅと音を立てる寒さだった。
もちろん、帰路も歩きましたよ。
その途中の香川の坂から見た流氷とウトロ港です。
そんなウトロの風景を楽しみながらたどり着いた講演会は・・・
この寒い季節なのに、半ズボン、素足、靴下なし、ちょっと季節感があったのは「長袖のTシャツ」という、小児科の先生だった。
昨今、お医者さんの評判は社会的には・・特に北海道では、あまり良くない中、自分から中央の「白い巨塔」をあっさり捨てて、中標津で開業した・・それだけで「おもしろくて変わってる人」だった。
と言うことは、きっとふつうの感覚の人なんだ〜と誰もが思ったと思う。
でも、ふつうの人ではなかった。
楽しく、おもしろく話してくれているのに、なぜか、記憶がわき上がり、涙が出てきた。隣の友人と二人で目を赤くしながら話を聞いた。
かわいかった、生まれたときにこれほど愛おしく、大切な存在を抱いたことに、誰彼かまわず感謝したことを思い出した。
どれだけ、二人には素敵な思いをさせてもらっただろうか、と思った。
話してくれた内容を改めてここで羅列しようとは思わない。
きっと、話したり書いたりすると、「よく言ってることじゃない〜」と思われるかも知れない。多分そうなのだと思う。
でも、ここが大切。
話を聞く。この場が、この関係が、この声が、この共有感が、多分、人が何かに気づくことの大切な時間なのだと思う。
当たり前を気づく事って、もしかしたらすごい「お得」な事かも知れない。
それを実感した小児科先生の話だった。 中標津こどもクリニック 栗山智之